「足裏がジンジン痛い…」その原因、“足”じゃないかもしれません。
朝起きて一歩目を踏み出すと、足の裏がビリビリして…」
そんなふうにお話しくださったのは、50代の女性のお客様でした。
ここ最近、外に出る機会が減り、移動も最小限に。
運動不足を気にしながらも、気づけば足を大きく動かす機会がほとんどなくなっていたとのこと。
ちょっとした家事や買い物の途中でも、足裏がズキッとするたびに「また来た…」と、不安になる日が続いていたそうです。
靴を変えたり、足裏用のパッドを試したりと、自分なりに工夫もされていたようです。
整形外科では「とくに異常なし」と言われ、湿布を処方されたものの、根本的な解決にはつながらなかったと。
「年齢的なものかもしれませんね」
そう言われたひと言が、どこかひっかかりながらも、「やっぱり仕方ないのかな」と思う気持ちが強くなっていったと話されていました。
僕が最初に確認したのは、足裏そのものだけではなく、ふくらはぎや太もも裏の筋膜の緊張、そして自律神経のバランスです。
お客様の場合、足裏の痛みの裏にあったのは、足全体の動きが小さくなったことで筋膜の柔軟性が失われ、さらに交感神経が優位な状態が続いたことによる過敏反応でした。
つまり、足裏の痛みは“単なる局所の不調”ではなく、「動かさない習慣」と「自律神経の乱れ」が組み合わさった結果だったのです。
施術では、ふくらはぎ〜腿裏の筋膜調整加えて、自律神経の調整を意識したアプローチと、リラックスを促す呼吸法や軽い足の動かし方も提案しました。
「そういえば、最近“痛くなるかも”って構えることが減ってきました」
と、お客様がぽつりと口にされたとき、僕も手応えを感じました。
症状が“気にならない時間が増える”というのは、回復の大きなサインです。
「これまで“歩きすぎたかな?”とか、“体重のせいかな…”って、自分を責めてばかりでした。
でも、本当は“動かさなさすぎた”だけだったんですね」
そう笑ってくださったとき、僕は心の中で静かにガッツポーズをしました。
痛みの背景には、本人が悪いわけではなく、「生活の中で起きた無意識の選択の積み重ね」があることがほとんどです。
足裏の痛みは、年齢のせいでも、歩き方のせいでもありません。
本当の原因は、「どう動いてこなかったか」という体の履歴にあります。
当院では、そうした見えない蓄積や、自律神経の状態まで含めて、“その人の体がなぜ今こうなっているのか”を丁寧に読み解くようにしています。
「これくらいの痛みで相談するのは気が引ける…」
そんなふうに悩まれている方こそ、一度体の声を聞いてみてください。