「立ってるだけで股関節がズーンと重い…」変形だけじゃない意外な原因とは?

「立ってると、股関節の前がズーンと重たくなるんです」
50代の女性のお客様が、そう話してくださりました。
変形性股関節症と診断され、整形外科に通いながらリハビリもしてきたそうです。
でも、日常生活の中での違和感はなかなか減らず、買い物や立ち仕事の途中に
「やっぱり痛いな…」と感じることが多かったとのこと。
長年、内股気味の立ち姿勢がクセになっていたこともあり、
前ももが張りやすく、お尻側の筋肉をうまく使えていないのでは?という実感もあったそうです。
「リハビリもしてるけど、これ以上はもう変わらないのかな…」
そんなふうに思いながらも、「自分の体の使い方を見直したい」と感じて、当院に来てくださいました。
僕がまず確認したのは、立ち姿勢と歩くときの股関節の動き方。
すると、お尻の筋肉(特に中臀筋・大臀筋)がうまく働いておらず、
そのぶん、前側の筋肉に頼ってしまっている状態が見えてきました。
このような筋力のアンバランスによって、
股関節の前方に圧迫がかかりやすくなり、立っているだけでも痛みが出やすくなっていたのです。

アプローチでは、前側の筋肉(腸腰筋・大腿直筋など)の緊張をゆるめることと、
お尻の筋肉を「使えるようにしていく」トレーニングを並行して行いました。
数回の施術後、こんな言葉をいただきました。
「前は 立ちっぱなし=痛い だったけど、今は半分くらいに減ってます」
無意識に力が入っていた姿勢が少しずつほどけてきて、
お尻の筋肉が“働いてくれてる感じ”が分かるようになったそうです。

変形性股関節症というと、「骨の問題」として扱われがちですが、
実際には使い方のクセが痛みを作り出していることも少なくありません。
僕は、「変形があるから痛い」と決めつけずに、
どう立ち、どう使ってきたかを丁寧に見ていくことを大事にしています。
痛みが半減したことで、「もう少し歩いてみようかな」という気持ちが生まれたとお聞きしたときは、僕にとっても嬉しい瞬間でした。
当院では、姿勢・筋力・緊張の偏りなどを細かく分析しながら、
その方の「これまでの使い方」と「これからの動き方」をつなぐお手伝いをしています。
「年齢のせい」「変形のせい」そうやって片づけられてきた違和感にも、ちゃんと“理由”はあります。
あきらめかけていた動作を、もう一度“前向きに取り戻す”。
その可能性を、一緒に見つけていきましょう。
